無常迅速
むじょうじんそく / Mujō Jinsoku
無常迅速(むじょうじんそく)の意味
意味
すべてのものは移り変わり、その移ろいは驚くほど速い、という意味です。人の命も例外ではなく、「いつか」と思っているうちに時は過ぎていきます。だからこそ、今この時を大切に生きよ、という促しが込められています。
出典・由来
「生死事大、無常迅速」という対句で知られ、『六祖壇経』で永嘉玄覚が六祖慧能に向かって述べた言葉として伝わります。禅寺で時を告げるために打ち鳴らす木の板(版)には、「生死事大 無常迅速 各宜醒覚 慎勿放逸」と書かれていることがよくあります。道元の言葉を弟子の懐奘が記した『正法眼蔵随聞記』にも、この言葉が繰り返し出てきます。
悩みへの生かし方
仕事に追われる毎日のなかで、「落ち着いたら連絡しよう」「いつか本当にやりたいことをやろう」と先送りしていることはないでしょうか。無常迅速は、焦って何かを詰め込めという言葉ではありません。限られた時間のなかで、自分にとって本当に大事なものは何かを静かに見つめ直すための言葉です。 大切な人を失ったとき、この言葉は冷たく響くかもしれません。けれど、移ろうものだからこそ、一緒に過ごした時間はかけがえのないものでした。悔いが残っていても、それはその人を大切に思っていた証です。今そばにいる人に向ける一言や、今日の一杯のお茶を、少していねいに味わうことから始めてみてください。
今日の小さな実践
「いつか」と先送りしている連絡を一つ思い浮かべ、今日、短い一言だけでも送ってみましょう。