天上天下唯我独尊
てんじょうてんげゆいがどくそん / Tenjō Tenge Yuiga Dokuson
天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)の意味
意味
天の上にも天の下にも、ただ私ひとりとして尊い、という意味です。「自分だけが偉い」という傲慢さではなく、誰とも取り替えのきかないこの命が、そのままで尊いという意味として受け取られることが多い言葉です。解釈には諸説あります。
出典・由来
お釈迦さまが生まれてすぐに七歩歩み、片手で天を、片手で地を指して唱えたと伝わる誕生の言葉です。経典によって表現が異なり、『長阿含経』などには「天上天下唯我為尊」とあり、玄奘の『大唐西域記』には「唯我独尊」の形が見えます。禅では、雲門文偃がこの場面について「その場にいたら一棒で打ち殺して犬に食わせた」と語ったと伝えられ、言葉への執着を断つ問いとして扱われてきました。
悩みへの生かし方
人と比べて落ち込むとき、私たちは自分の価値を誰かの物差しで測っています。同僚の評価、SNSの数字、昔の自分。けれどこの言葉は、比べる以前に、ここにいる命そのものが尊いのだと静かに言っています。誰かより上だから尊いのでも、下だから価値がないのでもありません。 そしてこの「我」は、自分だけではありません。苦手な上司も、すれ違う人も、それぞれが「唯我独尊」の命です。自分を大切にすることと、相手を大切にすることは、同じひとつの見方から始まります。
今日の小さな実践
胸に手を当てて、ゆっくり三回呼吸してみてください。比べる言葉を一度脇に置き、「今ここで息をしている」ことだけを感じます。