和顔愛語
わげんあいご / Wagen Aigo
和顔愛語(わげんあいご)の意味
意味
おだやかな顔つきと、思いやりのこもった言葉で人に接することです。特別な財産や才能がなくても、表情と言葉ひとつで相手の心をやわらげることができる、という教えです。
出典・由来
『仏説無量寿経』で、法蔵菩薩の修行のありさまを述べる一節「和顔愛語 先意承問(和やかな顔と愛情ある言葉で、相手の気持ちを先に汲んで問いかける)」に由来するとされます。「愛語」は布施・愛語・利行・同事からなる「四摂法」のひとつでもあり、道元は『正法眼蔵』「菩提薩埵四摂法」の巻で「愛語よく廻天のちからあることを学すべきなり」と、やさしい言葉が世の中を動かすほどの力を持つことを説いています。禅の場でもよく掲げられる言葉です。
悩みへの生かし方
職場で余裕がないとき、家族に疲れているとき、私たちの顔と声はつい硬くなります。相手もそれを感じ取り、ぎくしゃくした空気が広がっていきます。和顔愛語は、上手に話すことや無理に明るくふるまうことではありません。返事をする前にひと呼吸おき、眉間の力を抜く。それだけで、同じ言葉でも相手への届き方が変わります。 人付き合いが苦手な人にとっても、これは気負わずにできることです。気の利いた会話ができなくても、「ありがとう」「お疲れさま」を少しやわらかい声で言えばいい。道元が説いた愛語は、相手を思う心から自然に出る言葉です。まずは自分の表情をゆるめることが、自分自身の緊張をほどくことにもつながります。
今日の小さな実践
今日、誰かに声をかける前に一度だけ口角を少しゆるめ、ゆっくり「ありがとう」と言ってみてください。