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安心

あんじん / Anjin

安心(あんじん)の意味

意味

仏教では「あんじん」と読み、心が落ち着き、揺らがずに定まっている状態をいいます。日常語の「あんしん(安心)」の元になった言葉ですが、禅では「不安を消して安心する」というより、「不安な心をつかまえようとしても、どこにも見つからない」と気づくところに本当の安らぎがある、という意味合いで語られます。

出典・由来

よく知られるのは、禅の祖とされる達磨(菩提達磨)と、弟子の慧可(えか)の問答です。慧可が「私の心はまだ安らぎません。どうか安らかにしてください」と願うと、達磨は「その心を持ってきなさい。安らかにしてやろう」と答えました。慧可が「心を探しましたが、どうしても見つかりません」と言うと、達磨は「これでおまえの心を安らかにし終えた」と告げたといいます。この話は『無門関』第四十一則「達磨安心」に収められ、『景徳伝灯録』などにも伝えられています。

悩みへの生かし方

仕事の締め切り、人間関係のこじれ、将来のこと。不安なとき、私たちは「この不安をなんとかしなければ」と、心そのものと格闘しがちです。けれど達磨の問いのように「その不安を、ここに出してみて」と言われたら、どうでしょう。じっと見つめると、不安は形のある塊ではなく、浮かんでは移ろう考えや体の感覚の連なりだと気づくことがあります。 安心とは、悩みがすべて片づいた状態のことではないのかもしれません。不安が湧いてもいい、それを追いかけ回さなくてもいい。そう分かったとき、問題はそのままでも、心には少し余白が生まれます。その余白があれば、目の前の一つのことに、落ち着いて手をつけることができます。

今日の小さな実践

不安を感じたら、「その不安はいま、体のどこにある?」と自分に一度だけ問い、そこへ静かに三回、息を送ってみてください。

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