関
かん / Kan
関(かん)の意味
意味
関とは、関所、つまり通り抜けなければならない関門のことです。禅では、頭の理屈では越えられず、自分自身で体ごと通り抜けるしかない壁を指します。同時に、あれこれ考える心をぴしゃりと断ち切る一語としても使われます。
出典・由来
『碧巌録』第八則「翠巌夏末示衆」で、翠巌の問いに対して雲門文偃がただ一字「関」と答えた話がよく知られ、「雲門の一字関」と呼ばれます。また無門慧開の『無門関』は書名そのものに「関」を含み、第一則の評唱には「参禅は須らく祖師の関を透るべし」とあります。
悩みへの生かし方
仕事で行き詰まったとき、人間関係でどうしても越えられない場面に出会ったとき、私たちは原因を探し、正解を考え続けがちです。けれど考えるほど、壁は厚く見えてくるものです。関という一字は、その壁を「避けるべき障害」ではなく「今ここで通る門」として見直すきっかけをくれます。 関所は、遠くから眺めて分析しても越えられません。目の前の一歩を踏み出したときにだけ、通り抜けられます。不安で頭がいっぱいなときは、すべてを解決しようとせず、今日できる小さな一つの行動に心を向けてみてください。壁の向こう側は、案外その一歩の先にあるのかもしれません。
今日の小さな実践
今いちばん引っかかっていることを一つ思い浮かべ、心の中で静かに「関」と一言つぶやいてから、それに関してできる最も小さな行動を一つだけ決めてみましょう。