莫妄想
まくもうぞう / Maku Mōzō
莫妄想(まくもうぞう)の意味
意味
「妄想するなかれ」、つまり余計な思いをめぐらすな、という意味です。ここでの妄想は空想のことではありません。善悪・損得・過去と未来を頭の中でこね回し、目の前の現実から離れてしまう心の働きを指します。
出典・由来
唐代の禅僧・汾州無業(ふんしゅうむごう、馬祖道一の弟子)が、修行者に何を問われても「莫妄想」とだけ答えたと伝えられ、『景徳伝灯録』などにその話が見えるとされます。日本でも禅の言葉として広く知られ、茶席の掛け軸にもよく用いられます。
悩みへの生かし方
眠る前に、明日の会議や人の反応、昔の失敗が次々と浮かんで止まらないことがあります。まだ起きていないことを何度も予行演習し、もう終わったことを何度も再上映する。莫妄想は、その思いを無理に消せというより、「今それは目の前にない」と気づかせてくれる言葉です。 仕事で頭がいっぱいのとき、人間関係で相手の本心を推し量りすぎて疲れたとき、心の中でそっと「莫妄想」とつぶやいてみてください。考えるべきことはあとで考えればよく、いまは目の前の一通のメール、一杯のお茶に戻ればいい。思いが浮かぶこと自体は自然なことで、責める必要はありません。
今日の小さな実践
頭の中がぐるぐるしてきたら、手を止めて三回ゆっくり息を吐き、いま見えているものを一つ、心の中で名前を言ってみてください。