担雪埋井
たんせつまいせい / Tansetsu Maisei
担雪埋井(たんせつまいせい)の意味
意味
雪を担いで運び、井戸を埋めようとすること。雪は井戸に入れたそばから溶けてしまい、井戸はいつまでも埋まりません。一見むだな骨折りに見えますが、禅では、結果や見返りを求めずに、ただ黙々と行いを積み重ねる姿を表す言葉として味わわれてきました。
出典・由来
禅林で古くから用いられてきた句で、『禅林句集』などの句集にも見られます。「他の痴聖人を傭うて、雪を担って共に井を塡む」という句がもとになったとされますが、最初の出典については諸説あり、はっきりとは定まっていません。
悩みへの生かし方
毎日の仕事や家事、介護、子育てには、やってもやっても終わらず、形にも残らないことがたくさんあります。片づけた机はまた散らかり、返したメールにはまた返信が来る。「これに何の意味があるのだろう」と虚しくなるのは、自然なことです。 この言葉は、その虚しさを否定しません。ただ、井戸が埋まるかどうかではなく、雪をひとすくい運ぶその一回に心を込めることに目を向けさせてくれます。成果で自分の価値を測るのを少しだけ休み、目の前の一つの作業を丁寧に終えること。それだけで、同じ繰り返しの中にも静かな手応えが生まれることがあります。
今日の小さな実践
今日いちばん「どうせまたやり直しになる」と感じる作業を一つ選び、結果を考えずに、その一回だけを丁寧にやってみてください。終わったら、ひと呼吸おいて手を止めます。